インタラクティヴな時代

コミケ=二次創作趣味の大イベント化、ニコニコ動画の流行、それに刺激されてますます加速するアニメ・ゲーム産業。良い意味での循環がここにあると言えましょう。一度は「らき☆すた」の削除に乗り出した角川書店も、ある程度upを容認する方向にシフトしたことは、この循環を逸する行為であり逆効果だと考えたからなんじゃないかな?と推測します。(ってコンシューマー側の都合の良い解釈ですけどね!)また、優れた二次創作が、原作者に逆に影響を及ぼして、創作活動の原動力になることも、昨今珍しいことではなくなりつつあります。
それにともなって、著作権の考え方にも柔軟性が求められる時代です。相変わらず一律に使用料の徴収を求めるJASRACや、規制強化を求める文化庁は、過去に取り残された亡霊と言っていいでしょうが、時代の流れというのはそう簡単に止められるものではありません。
アニメに限らず、今、文化があらゆる分野で「著作者が一方的に与えるもの」から「著作者と受容者が互いに補完し合って成立するもの」へとシフトしています。IT化は、すなわち「双方向性」=インタラクティヴな時代の到来を意味します。だから、著作権の考え方も、それに見合うように見直すべき時期だと言うことができるでしょう。
そういった見地からすれば、ニコニコ動画が、権利者からの要請を原則として消極的に動画を削除しているのは、あくまでも権利者を尊重しつつ、分化の循環を絶つことのないよう、その規制を最小限に食い止めている点で、評価すべきことと思うのです。
文化庁の人たちにはわからないでしょうがね。