国歌、そして音楽の煽動性

ニコニコ動画の方で「ドラクエ君が代」に好意的なまなざし?が向けられています。聞くほどに、戦意がみなぎってくるというか、勇敢な気持ちになれます。ネット右翼の巣窟にふさわしい音楽ですね。
権力者はこんなふうに、民衆を戦力として動員します。現実の国歌「君が代」が国民の戦意を煽がない、腰の据わったのっぺりとした音楽である、ということは、逆に左寄りの人には好都合なのではないでしょうか。この歌を聴いて「お国のために!」と思える人は若年層にそう多いようには思えません。
フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を聴いたことがある人なら、誰もがあの音楽に高揚感を覚えると思うのです。あの曲はそもそもフランス革命を封じんとする諸外国との戦いの中から生まれた、と言われているわけで、その成り立ちはとても軍事的と言うことができるかと思います。
音楽は、時として人を政治的・軍事的に動かす力を併せ持ちます。そして、ブラームス・ハンスリックといった、19世紀の保守派の音楽家が憂えたのは、まさに音楽のこうした煽動的側面だったのではないか、というのが、最近抱いた一つの仮定です。