大型店vs商店街

大型店舗の出店を条例で阻止しようとする自治体がある、という話を聞いた。
地元商店街の要請という話だけど、消費者と地権者は猛反発、議会は真っ二つに割れ、1票差で可決されたそうだ。そういうニュースを見ると、時代の流れにも「地域格差」は生じているんだなぁ、と。いまどき古くて品揃えが悪くて夜さっさと店じまいして、あげく駐車場もまともに無いような商店街なんてねぇ・・・とも思う。
勿論、そこにある人情とか、長年のお付き合いのようなものは否定しないけれども、「それだけじゃ生き残っていけない」ってコトは考えていかないといけないんじゃないかな、と思う。大型店は大型店なりの苦悩をかかえながら策を講じている。それはお互い様だろう。だからと言って、ズケズケと商店街を無視して乗り込んでくる大型店もあまり褒められたもんじゃない。
大型店と小規模店・商店街が対峙する時代はそろそろ終わりにしなければいけないということ。大型店が商店街を食いつぶす、っていう構図をそろそろ塗り替える時期なんじゃないかな。
そもそも、商店街は無力な一商人がたくさん寄り合って形成する「古式ショッピングセンター」と言い換えることも出来る。いろんな業種が互いに補完し合いながら消費者のニーズに応えてゆく、というこの形態は、実は現代の大型SCに通じる部分すらあると思う。
であるならば、大型店と商店街が手を取り合うことだって、不可能ではないはずだ。例えば、大きなハコにたくさんの商店が軒を連ねるというのはどうだろうか。いわゆる「専門店街」を既存の個人商店の出店スペースとして利用しようではないか、という提案。勿論仕入れや雇用などいろいろな問題はあるけれど。ただ、少しずつそういう提案がなされてもよいようなものじゃないか。これはあくまで例えだけれど、行政も条例で大型店を阻止するだけでなく、そういった部分に目を向けて行政指導などを行ってゆく必要があるように思う。
どんな歴史も「対決から融和」へと弁証法的に進んできた。これは小さな街の商店街と大型店というローカルな話題にも、例外なく適応すべき視点だと思う。